- 2012.09.04
- 関の考え方
神戸の就業率ナンバーワン作戦 その④「空港産業」
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紆余曲折を経て開港にたどり着いた神戸空港。
過去の経緯を眺めていると、騒音公害批判猛々しき頃の市政の苦しい立場が見て取れる。宮崎辰雄市長の回顧録に詳しい。
1946年の「市復興基本計画要綱」に初めて登場し、1969年当時の運輸省の関西新空港構想に始まった神戸空港。
1982年の神戸市会が神戸空港建設反対決議の転換書を採択し、宮崎市長が改めて運輸省に「神戸沖空港試案」を提出した。社会的にも空港反対の意見が沈静化していた。
2006年2月16日、ちょうど60年の経緯を経て神戸空港が難航した経緯を経て開港した。
さて神戸空港、開港後、搭乗率が芳しくなく、廃港まで含めた色々な議論が出ているが、私は、軽軽な判断は今の段階では、ご法度と考える。
つまり、まだ結論を早々に出すべきではない状況なのだ。
第一に、基本収支が基本収支は毎年黒字。基本収支とは、着陸料+停留料の合計から管理経費を差し引いたもの。
市債償還費を含めると、6年目に初めて赤字となったが、基本収支は黒字だ。そこで、開港と同時に開かれたポートアイランドの土地の売却に今は全力で取り組むべきだ。
第二には、経済は複合的に効果が出るもの。例えば、神戸空港が無い場合、医療産業都市構想がこのように進んでいったであろうか?
無かりせば、医療関係企業がポートアイランドに集合してきたであろうか?スーパーコンピューター「京」が誘致できたであろうか?経済の複合効果を丁寧に読むべきだ。
第三には、神戸港とのコラボをもっと進める方法を探求できないだろうか。
神戸港の西側のバースは現在は廃止され、現在、貨物はポートアイランドの東側に集約され、当時言われていた神戸港の運用を阻害し利益相反する、との意見はある意味、緩和される中になる。
将来の夢は東京のように、航空貨物と海運貨物が積替えも容易となり、他の運輸拠点に差をつけられる体制を整備することである。日本が他国のハブと競争する拠点だ。
第四には、日本航空の撤退にも、たじろぐ必要はないことだ。全日空飛行機の大型化やスカイマークの増便で、客席数は逆に増加する。着陸料収入も減らない。
ちなみに日本航空の提供座席は一日に3,136席であった。
第五には、逆に今、神戸空港を廃港してしまうと、現在に至るまでに起債した約2千億円が負債として残るのみだ。
ポートアイランドの土地売却などもますます進まなくなるであろう。神戸市が90%も負担をしてせっかく作った神戸空港を市民の発展のために徹底的に有効活用できるように、不足部分を更に補い、土地の売却も進め、前向きに発展させる方法を積み上げるべきである。
第六に、この方法としては、単に神戸空港のエリア部分の経済活動のみの観点に寄らず、神戸全体のパワーアップによる人口増加なども大きく寄与するはずである。
つまり、人・モノ・金の神戸への集約こそ、大切な成功要件なのである。
そのためには、私のブログのシリーズで掲げている総合的な政策実行が欠かせない。運輸拠点には片手落ちは不可だ。
神戸の総合対策、神戸空港をもっと活用しよう。
私の夢は、神戸をアジアのゲートウェイの代表にすることだ。